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薬剤師のお勉強ノート

半人前薬剤師が日々の勉強内容を振り返るための備忘録です。

フェブリク錠の特徴

★フェブリク錠の特徴★
・高尿酸血症の適応が認められた薬剤。
→合併症による制限がない。

・血中尿酸値を治療目標値まで低下させ、長期に維持することが可能。

・軽度から中等度の腎機能低下例においても、通常用量で有効性と認容性が示された。

・新しい作用機序を有する1日1回投与のキサンチンオキシダーゼ阻害薬(XOI)
→尿酸生成抑制薬として40年ぶりに承認された薬剤。


★用法用量★
・10mg/日から投与。2週間以降に20mgに増量。さらに4週間以降(投与開始して6週間以降)に40mgに増量。

・維持量は1日1回40mg(適宜増減、最大60mg/日まで)

・他の尿酸降下薬から切り替える際の開始用量は20mg/日からの投与を考慮。
→ただし、発作が頻発してたり、尿酸値が安定していない、生活習慣の改善が十分ではない、服薬コンプライアンスが悪い場合には10mg/日からの投与を推奨。


★注意点★
・治療初期に痛風関節炎の悪化の可能性あり。
→予防のために、少量から徐々に増量。
(10→40mgに増量したときと10→20→40mgで増量した時では痛風関節炎悪化率はそれぞれ11%と6.5%)

・併用禁忌薬あり:メルカプトプリン(ロイケリン)、アザチオプリン(イムラン、アザニン)

・注意すべき副作用は関節痛、四股不快感、肝機能検査値の異常、甲状腺機能関連検査値の異常

★効果★
・投与開始8週でフェブリク錠40mg/日による血清尿酸値の低下率はベースラインに対して41.5%。(アロプリノール200/mgでは35.2%)

・フェブリク錠60mg/日群はアロプリノール300mg/日群より血清尿酸値変化率が大きいことが示された。
(16週の血清尿酸値変化率はフェブリク60mg/日で52.5%、アロプリノール300mg/日で36.6%)

・フェブリク錠40mg/日、投与開始8週の血清尿酸値6.0mg/dl以下達成率は82%。
(アロプリノール200mg/日では70.0%)




アロプリノールと違って、軽度から中等度の腎機能低下例でも用量調節が不要であったり、適応が合併症による制限がなくシンプルに高尿酸血症であるので使いやすい印象がありますね。

薬剤師としては投与初期の一時的な関節炎の増悪によって自己判断で中止しないような指導が必要ですね(^ー^)


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エディロールカプセルの特徴

活性型ビタミンD3製剤のエディロールカプセルの特徴についてです。

★特徴★
・骨への作用を強化した新しい活性型ビタミンD3製剤。

・カルシウム代謝、骨代謝の両方に改善作用を発揮する。

・椎体・非椎体骨折の頻度を低下させる。

・骨密度低下の改善に効果を発揮する。

★アルファカルシドールとの比較★
・椎体骨折発生抑制:相対リスク26%減少
→椎体骨折発生頻度:アルファカルシドール17.5%、エディロール13.4%


・非椎体骨折発生頻度
非椎体(大腿骨、上腕骨、前腕骨):相対リスク48%減少
→骨折発生頻度:アルファカルシドール4.9%、エディロール2.5%

前腕骨:相対リスク71%減少
→骨折発生頻度:アルファカルシドール3.6%、エディロール1.1%


・腰椎骨密度
→エディロール群では投与前よりも3.4%増加。アルファカルシドール群よりも3.3%強い骨密度増加効果を示した。


・大腿骨骨密度
→エディロール群では投与前よりも0.4%増加。アルファカルシドール群よりも2.7%強い骨密度増加効果を示した。


・骨代謝マーカー
骨吸収マーカー(尿中NTX )、骨形成マーカー(BAP)ともにアルファカルシドール群と比較して有意に低下させた。


※エディロール0.75μg、アルファカルシドール1μgを1日1回3年間投与による比較



H24.5現在は基本的には単剤の使用が推奨されているようです。(重症例には併用を検討。)
今後、ビスホスホネートやSERM との併用のエビデンスが集まってくれば併用も増えてくるだろうとのことです。

今後に期待ですね(^-^)


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新しいHbA1c(NGSPとJDS)

4月から、患者さんから血液検査の結果の紙を見せて頂いた時に、HbA1cが2つ書かれて来るようになりました。
「新」と「旧」と書かれているのですが何がちがうのか、確認のためにまとめます。


★JDSとNGSP★
・日本の測定方の数値がJDS (Japan Diabetes Society )海外で使われている数値がNGSP (National Glycohemoglobin Standardization Program )。

・欧米と日本では測定方法が違うため差がでる。

・新HbA1cとはNGSPのこと。

・NGSP=JDS+0.4
→正確な換算式もあるが、学術論文以外では上記の式で問題はない。

・2010年から出版物や学会発表ではNGSPを表記していて、2012年4月から日常診療でもNGSPを使用することになった。
→ただし、特定検診・保健指導(メタボ検診)では12年度末までJDS で表記される。





HbA1cの国際標準化によって今までの数値から0.4高くなるということですね(^-^)

従来糖尿病の管理目標値は大規模臨床試験の結果から、欧米人では7.0%以下、日本人では6.5%以下とされていましたが、JDS6.5%はNGSP6.9%に相当するため実際はほぼ同じ管理目標値だったということです。

多くの検査結果では当面の間は両方が記載されるようです。
患者さんが新しい表記になって血糖値が高くなったと心配しないように、説明できるようにしておきましよう。
(実際は多くの場合主治医からも説明があると思われます)

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糖尿病の運動療法・運動制限

糖尿病の方の運動療法、運動制限の必要がある場合についてまとめてます。

★運動療法★
・歩行運動では1回15~30分間、1日2回(1日の歩行数約8000~9000歩)、週に3日以上が望ましい。

・日常生活において身体活動量を増やすだけでも長期間継続すれば効果がある。


★運動禁止・制限する必要がある場合★
・空腹時血糖250mg/dl以上

・尿ケトン体陽性

・眼底出血

・腎不全
→血清クレアチニン値:男性25mg/dl 以上、20mg/dl女性以上

・心疾患
→狭心症、心不全等の虚血性心疾患や、脈拍が100を越える時など。

・骨、関節疾患

・壊疽

・急性感染症

・高度の自律神経障害

・血圧180以上

など


★その他の生活習慣改善・療養指導★
・禁煙

・肥満改善

・フットケア

・口腔内ケア、歯周病管理指示

・自己管理教育(インスリン非使用者にも血糖自己測定が望ましい)

・インフルエンザ予防接種

・肺炎球菌ワクチン

など




運動は、筋肉におけるインスリン感受性を高めるの で、インスリン抵抗性を背景にした2型糖尿病に とって特に有効です。運動による血糖降下作用は、 運動時だけでなく、24~48時間持続するとされています。

運動療法はとても大切ですが医師からどの程度の運動強度を指示されているかの確認も大切ですね(^ー^)

血糖を下げるためには激しい運動ではなくウォーキングなどを日常生活に組み込み続けられるようなアドバイスをしたいですね。
(通勤の一部を徒歩にする。買い物へ歩いて行く等)


糖尿病患者においてHbA1c を1%減少させることにより、15~20%の動脈硬化性疾患の減少と37%の細小血管症(網膜症、腎症 など)の減少をもたらすことができるとされています。

1%下げることの大切さを患者さんに理解して頂きましょう(^ー^)


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シュアポスト錠の特徴

新しいグリニド系薬のシュアポスト(レパグリニド)について勉強会があったので内容をまとめておきます。


★はじめに★
・4/1より長期投与可能に。

・有用性加算(Ⅱ)5%適用

・「シュア」…確実に「ポスト」…食後の血糖を下げる


★特徴★
・グリニド系で唯一の胆汁排泄型

・尿中移行少なく、透析患者にも安心して使える。

・初期用量0.25mgだが0.5mgからでも可。最大1日3mgまで。

・α-GIと併用可。(他との併用は適応なし)

・毎食直前(10分以内)。食事中、食後はだめ→1回飛ばして次回に通常に。

・吸湿性に注意(病院では一包化している)

・単剤16週投与で7.32→6.15%と1.17%と低下は大きい。

・世界90ヵ国以上で承認販売されている。

・体重増加あり(52週で1.67kg)

★主な副作用★
低血糖(19.0%)、めまい(3.5%)、振戦(3.3%)、空腹感(2.3%)。

全体で35.5%

★ファスティック(スターシス)との比較★
・有意差をつけてHbA1cを低下させる。
→ファスティックで0.81、シュアポストで1.17の低下。

・空腹時血糖が低くなる

・ K ATP チャネルへの結合親和性高い。→インスリンの分泌作用長くなる。

・低血糖の発現率高い。(SU剤と同等)
→比較試験で低血糖はシュアポスト(1.5mg分3)で17.2%(11/64例)、ファスティック(270mg分3)で6.1%(4/66例)

★こんな人に処方を★
・SU剤を投与しようと考えている人

・既存のグリニドで効果不十分な人

・腎機能の低下が気になる人

・αーGI投与患者への追加投与



併用薬がαーGI だけだとなかなか使用できる場面は少ないかもしれないですね(^ー^)
ちなみにグルファストにはαーGI以外にチアゾリジン系との併用にも適応があり、
ファスティック(スターシス)にはαーGI、チアゾリジン系に加えて、ビグアナイド系との併用に適応があります。



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