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薬剤師のお勉強ノート

半人前薬剤師が日々の勉強内容を振り返るための備忘録です。

抗ヒスタミン薬の使い分け②

第二回めの抗ヒスタミンの使い分けについてです。

もう少し詳しく違いを見ていきましょう。


★適応症の違い★
・喘息
→アゼプチン錠、セルテクトドライシロップ、ザジテンドライシロップ、アレジオン錠、ゼスラン錠

・尋常性乾癬
→アレジオン錠、アレロック錠

・多形滲出性紅斑
→アレロック錠


★妊婦への使用★
・禁忌
→レスタミン、ピレチア・ヒベルナ、セルテクト、クラリチン、ニポラジン、(リザベン)

・妊婦に使用可能な抗ヒスタミン薬
→ポララミン、タベジール、ザジテン、ダレン、エバステル、タリオン

※現在市販されているH1拮抗薬に催奇形性は知られていない。しかし、胎児に対する安全性も確立されていないので、できるだけ投与しないことが望ましいとされている。ただし、ポララミンは妊婦に対する使用経験が多く、どうしても必要な場合には使用しうる薬剤です。


★作用発現の速さの違い★
・第一世代は即効性あり。


・第二世代は時間がかかるが以下のものはTmaxが短く、即効性が期待できる
→ジルテック(Tmax;1.4h)、アレロック(Tmax;1.0h)、クラリチン(Tmax;1.6h)、タリオン(Tmax;1.2h)
※初回投与時は速やかな効果発現が待できますが、継続使用すべき薬剤であることを考えると、臨床上この違いはあまり問題にならならない。


★肝機能障害者には★
・アレグラ、タリオンが肝臓での代謝受けにくい

★腎機能障害者には★
・用量・投与間隔の調節が不要のもの:ポララミン、セルテクト、アレジオン、クラリチン
※文献により解釈が異なるため注意


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抗ヒスタミン薬の使い分け①

毎年春は花粉症の時期ですね。

今年もバンバン抗ヒスタミン薬が処方されています。
今回は改めて使い分けの基本を確認しましょう。

まずはおもな抗ヒスタミン薬の世代別の一覧と世代ごとの特徴です。

★第一世代★
・ポララミン(クロルフェニラミン)、アタラックス(ヒドロキシジン)、タベジール(クレマスチン)、ぺリアクチン(シプロヘプタジン)、レスタミン(ジフェンヒドラミン)

・気管支喘息には慎重に。
→抗コリン作用強いため、粘膜分泌を抑制し去痰を抑えるため。

・水様性鼻漏やくしゃみ、かゆみには即効性があり有用性は高いが、鼻閉には不十分。

・アタラックス以外は緑内障や前立腺肥大などの下部尿路閉塞疾患に禁忌。

・ポララミンは第一世代の中では比較的に中枢神経抑制作用すくなく日中の投与に適切。

・すべてで運転禁忌。

★第二世代★
・ザジテン(ケトチフェン)、アゼプチン(アゼラスチン)、セルテクト(オキサトミド)、ダレン・レミカット(エメダスチン)、ゼスラン(メキタジン)、アレジオン(エピナスチン)、エバステル(エバスチン)、ジルテック(セチリジン)、ザイザル(レボセチリジン)、アレグラ(フェキソフェナジン)、アレロック(オロパタジン)、タリオン(ベポタスチン)、クラリチン(ロラタジン)


・第一世代よりも眠気少なく、鼻閉にもやや有効。

・抗アレルギー作用もある。

・持続時間が長い、効果発現が遅い。

・メキタジンのみ緑内障と前立腺などの下部尿路閉塞疾患に禁忌。それ以外はOK。

・ザジテンでは痙攣に注意。

・運転禁忌と注意、警告なしがある(→詳しくは下記で)


★眠気による使い分け(添付文書の記載)★
・運転禁止
→第一世代すべて。ザジテン(ケトチフェン)、アゼプチン(アゼラスチン)、セルテクト(オキサトミド)、ダレン・レミカット(エメダスチン)、ゼスラン(メキタジン)、ジルテック(セチリジン)、ザイザル(レボセチリジン)、アレロック(オロパタジン)


・運転注意
→エバステル(エバスチン)、アレジオン(エピナスチン)、タリオン(ベポタスチン)

・運転への記載なし
→アレグラ(フェキソフェナジン)、クラリチン(ロラタジン)



今回はひとまずここまでです。次回は妊婦や適応等から違いを見ていく予定です(^-^)


参考:ポケット医薬品集2009、レジデントノート日常診療での薬の選び方、使い方


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