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薬剤師のお勉強ノート

半人前薬剤師が日々の勉強内容を振り返るための備忘録です。

イトリゾールの併用禁忌

相互作用が多い薬の代表、イトリゾールの併用禁忌を一覧にしてみました。

問題となるのはCYP3A4阻害作用とP糖蛋白質阻害によるものがあります。

みなさんは全部言えますか?

★CYP3A4阻害によるもの★
・オーラップ(ピモジド)、ベプリコール(ベプリジル)、キニジン
 →これらの薬剤の血中濃度上昇により、QT延長が発現する可能性がある。


・ハルシオン(トリアゾラム)
 →トリアゾラムの血中濃度上昇、作用の増強、作用時間の延長があらわれることがある。


・リポバス(シンバスタチン)
 →シンバスタチンの血中濃度上昇により、横紋筋融解症があらわれやすくなる。


・カルブロック(アゼルニジピン)、レザルタス(アゼルニジピン)、バイミカード(ニソルジピン)
 →血中濃度を上昇させることがある。


・クリアミン(エルゴタミン)、ジヒデルゴット(ジヒドロエルゴタミン)
 →これらの薬剤の血中濃度上昇により、血管攣縮等の副作用が発現するおそれがある。


・レビトラ(バルデナフィル)
 →バルデナフィルのAUCが増加しCmaxが上昇するとの報告がある。


・セララ(エプレレノン)
→エプレレノンの血中濃度を上昇させるおそれがある。


・ロナセン(ブロナンセリン)
 →ブロナンセリンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。


・レバチオ(シルデナフィル)
 →シルデナフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(シルデナフィルとリトナビルとの併用により、シルデナフィルのCmax及びAUCがそれぞれ3.9倍及び10.5倍に増加したとの報告がある)。


・アドシルカ(タダラフィル)
 →タダラフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(タダラフィルとケトコナゾールの併用により、タダラフィルのAUC及びCmaxがそれぞれ312%及び22%増加したとの報告がある)。






★P糖蛋白質阻害によるもの★
・ラジレス(アリスキレン)
 →イトラコナゾールカプセルの併用投与(空腹時)により、アリスキレンのCmax及びAUCがそれぞれ約5.8倍及び約6.5倍に上昇したとの報告がある。


・プラザキサ(ダビガトラン)
 →ダビガトランの血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大することがある。




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テルネリンとデプロメール(ルボックス)の相互作用

抗うつ剤のマレイン酸フルボキサミン(商品名:ルボックス,デプロメール)と
筋緊張緩和剤のチザニジン塩酸塩(商品名:テルネリン)は併用禁忌です。


この2つを併用してしまったことにより、ろれつが回らなくなったり、ふらつきが起こってしまった患者さんにお会いしたことがあります。

併用禁忌を忘れないよに相互作用について確認していきましょう。


・マレイン酸フルボキサミンは,薬物代謝酵素の代表格の1つであるCYP1A2を強力に阻害するため,チザニジン塩酸塩が体内で代謝されにくくなる。

・ある論文によると併用によりチザニジン塩酸塩の最高血中濃度(Cmax)が12倍に。時間曲線下面積(AUC)が33倍になると報告あり。半減期が1.5時間から4.3時間へと平均3倍有意に延長した。

・さらに、チザニジンの臨床薬理学的評価として、収縮期血圧(最高血圧)が平均ー35mmHg、拡張期血圧が(最低血圧)平均ー20mmHgと有意な低下を認め、心拍数も平均ー4beats/minと有意に減少した,という報告があります。

・上記の理由により著しい血圧低下、傾眠、めまい及び精神運動能力の低下等があらわれる



Cmaxが12倍!!かなり危険ですね。

フルボキサミン服用中の方には整形外科を受診していないかや、肩こりの薬もらっていないか確認を。チザニジン服用中の方にはストレス科の受診がないか確認が必要でしょう。

ちなみにフルボキサミンとラメルテオン(ロゼレム)も同様にCYP1A2阻害によるラメルテオンの増強があるため併用禁忌です。
注意が必要ですね(^ー^)




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